招聘される外国人の「在留資格認定証明書」が交付されて、
無事、日本に入国して働いてくれるようになって
ひと安心というところかもしれませんが、
それで、外国人の雇用管理は終わりというわけではありません。
外国人を雇用した事業主様には、
法律に則り、適正な雇用管理を行う義務があります。
法律を遵守することは、外国人を雇用する場合だけに限りませんが、
特に外国人雇用の場合は、その点が軽視されがちです。
「知らなかった」では済まされませんのでご注意ください。
適正な管理を行っていないと、
ビザの更新時に不利益を被ることもあります。
そうなると、外国人だけでなく、
ご自身の事業運営にも大きな影響を受けます。
ですから、事業主は、入管法のみならず労働関係法令の
基本的な知識を身に付けておかなければならないのです。
コンテンツ
外国人雇用状況の届出
事業主は、外国人労働者の雇い入れおよび離職の際には、雇用対策法により、その氏名、在留資格等を
ハローワークに届け出る義務があります。
これは、ハローワークが、外国人の雇用環境の改善に向けて、
事業主への助言や指導、離職した外国人への再就職支援に
取り組みやすくするための措置です。
届出期限は、雇入れの場合は翌月10日まで
離職の場合は翌日から起算して10日以内とされています。
ただし、雇用保険の被保険者ではない外国人については、
雇入れ、離職の場合ともに翌月の末日までとなっています。
もし、事業主が届出を怠ると、
30万円以下の罰金がかされることもありますので
ご注意ください。
詳しくは、こちらのパンフレットをご覧ください。
>> 外国人雇用のルールについてのパンフレット(厚生労働省)
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬があるか
外国人労働者だからといって、安い賃金で働かせるわけにはいきません。日本人の方を雇い入れる場合と同様の賃金が必要とされます。
具体的に金額をいくらにすべきとの基準はありませんが、
調理師の場合、少なくとも18~20万円程度以上の賃金を支払う必要があります。
また、既に、外国人調理師を雇用している場合には、
その調理師に適正な賃金を支払っているか、
良好な職場環境を与えているのかも必要です。
ごく稀に、在留資格認定証明書交付申請の際に提出した雇用契約書の賃金より
実際には低い賃金しか支払っていないケースもあります。
理由があって、きちんと入管に報告している場合には了承される場合もありますが、
勝手にそのようなことをしていると、いい加減な労務管理をしている事業者として、
その調理師本人だけでなく、他の方のビザ申請にも影響しますので、
適切に労務管理をする必要があります。
採用する企業側に事業の継続性や安定性があるか
お店は、適切に外国人調理師を雇用するにふさわしい店舗構成が必要になります。
料理のメニューについては、その国の本場のものである必要があります。
中国料理店であっても、ラーメンと餃子しかないようなお店では、
中国人料理人を招聘することはできません。
また、5,000円程度以上のコースメニューがあり、
かつ単品料理も存在している必要があります。
座席数については、カウンター席も併せて30席程度の客席があり、
貸切パーティーや宴会ができるような広さがあればなお良しです。
内装や飾り付けについても、
その国の雰囲気が出るものにすべきでしょう。
インド料理店の場合には、タンドール釜は必須となります。
申請する際には、レストランの厨房や客席、外観、
コース料理の写真を提出するとよいでしょう。
もちろん、飲食店ですから「飲食店営業許可」の取得は必要です。
次に、安定性及び継続性についてです。
安定性及び継続性の観点からは、招聘機関の売上・利益の多寡、
組織形態(法人か個人か等)、組織規模(従業員数)、
設立年度(古くから営業しているのか)などが重要となります。
新しく事業を始める場合には、
事業計画書において、具体的な根拠を示した
売上や利益計画を提示する必要があります。
そして、事業主として継続安定して経営が続けられるだけの
資金力を備えている必要があります。
単に赤字というだけで許可が下りないということではありませんが、
何年も赤字が続いているようだと、新しく外国人調理師を雇用したところで、
きちんと給料を支払えるのかという疑問が生じます。
実際に、給与が支払われなくなるという事例もありますので、
そのような事業主に、外国人調理師に対するのビザを下ろすのは
当然ながら、入国管理局も慎重になります。
個人事業主の資産や法人の内部留保が十分にある場合には、
許可されることもありますが、
そもそも、外国人調理師を招聘する必要性に疑義が生じるため、
なかなか難しいものと考えておいた方がよいと思います。
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